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自由気ままに作った1/24カーモデルの資料とまとめ

小ネタ集:フジミさんの板シャーシを弄り倒してみる

Category: 小ネタ集  Tags: クルマプラモのちょい小ネタ  
フジミ板シャーシ徹底改修1


めっちゃお久しぶり、4年ぶりの小ネタ集。 
今回は小ネタ集過去記事のバスタブ系内装におけるリアシートの取っ払いドンガラ制作の応用編として、フジミさんの汎用板シャーシを題材にしてみます。

板シャーシといえばフジミさんのクルマのプラモデル黎明期1980年代の約10年間、1/24スケールがディスプレイモデルへと変わり車種ごとに専用シャーシが開発される以前、モーター・麦球・電池ボックスを仕込むことが出来た「走らせて遊ぶ」時代の共通シャーシの俗称。
クルマのプラモを数個組み立てたことあるよーって方ならご存知な場合も多い、有名なパーツですね( ・ω・)

開発初期に各車ホイールベースの差異を無視して共通化する事でコスト削減と今に続くあれだけのラインアップ数を短期間の内にリリースした立役者。
幸か不幸かボディの方はほぼ正確に1/24化したこともあって、現在でも細部に丁寧に手を入れれば十分に観賞に値するクオリティの反面、貧弱な足回りとインナーフェンダーの無いシャーシはともすれば必要悪みたいな捉え方をされる場合も多いですよね…(;^ω^)
ちなみに板シャーシキットは玉石混交とも言われるように、一部ラインアップはディメンションの狂ったような形状のぺったんこボディだったりしますが、実は当時他社との差別化として敢えてあの姿にデフォルメして設計してたそうな。 [中西一雄 (2016) 『モデル・カーズ・チューニング その参』 pp.82-83, ネコ・パブリッシング.]
技術的な関係であーなったと今迄てっきり思ってましたわ。
ごめんよフジミ。


んで、具体的には
・ホイールベースを考慮しない為にフェンダーのセンターにホイールがこない
・トレッド幅も考慮されていないので異様に引っ込むか、何とか調整したとしてもフロントの舵取りにおいてスクラブ半径が増大
・モーターライズ前提の構成が足回りのジオメトリー調整において難儀する
・インナーフェンダーが無いので、完成後真横から見ると筒抜け
・内装パーツとシャーシとの接合・位置決め及び調整が難しい
…といったところがウイークポイントでしょうか。

内装も単体で見ると例えばドア内張りのモールドが細かかったりと、結構良い感じなのでシャーシとの落差が残念な感じになっちゃうんですよねー…。
でもでもよーく見ると、モーターライズとしては同時代他社のものよりも比較的下面の駆動系とかのモールドがあったり、何より入手が楽で何にも無いぶん加工も楽。
弄り倒す事を前提にすれば、これほど流用が利く加工ベースは無いんじゃないかと思うわけですよ。

何より私も子供の頃はこの板シャーシキットに随分とお世話になりましたし、そのリスペクトも兼ねて現在の持てる技術を注ぎ込み、強度と観賞に耐え得る状態にすべく、使えるパーツは存分に大事に使っちゃおうというのが今回のテーマ。
主に上に挙げたポイント解消を重点として順を追って解説していきたいと思います。


さて、↑の画像にあるように板シャーシには大別して2種類がありまして、前側は金型年次が昔のもので主にハッチバック車両に良く使われているタイプ。
それ以外は後側のタイプで、こちらの方がセダン・クーペと数多く採用されてます。
恐らく法則として前側の方がショートホイールベースなので、そこで分けてるっぽい。
年次後期にあたるFC3SサバンナRX-7がペラペラの前側のやつだったり、ハッチバックなMA70スープラとセリカXXが後ろのやつだったりするので。
流石に3代目プレリュードもロングホイールベースの方に専用パーツを追加して4WSを再現してたのには色々な意味でスゲェなって思いましたけど。


今回は制作したS130フェアレディZを題材として、よりペラッペラな前側、ハッチバックで丸見えドンガラ(S130の場合アイローネゲートで見えないんすけど)を造型してみます。

あ、制作上両者の違いは殆どない事を付け加えておきます。


フジミ板シャーシ徹底改修2


まずはリア側から。

最初に予めボディ側のフェンダー肉厚を薄く加工しておいて、一旦シャーシを合わせてインナーフェンダーの大きさを決めます。
計測に使っているのは以前ロールケージ作製の回でも登場した自作の方眼紙メジャー。

車高短にする場合、逃げも含めてやや大きめに目測を付けて、0.3㎜厚プラ板を短冊状に切り出してアーチ状に接着。
これが後々全ての基準となる為、慎重にタイヤも合わせたりして様子を見ながら行ってください。
幅に関しては特に言及しませんが、とりあえずタイヤ・ホイールがちゃんと入る分だけの幅を確保しておいてくださいね( ・ω・)


フジミ板シャーシ徹底改修3


両方取り付けるとこんな感じ。

ここでポイントとなるのは、アーチの端が必ずしもシャーシの端と合うわけではないというところ。
というか、合わない方が多いですww

これはやはり汎用として内装幅がボディのそれとまったく一致しないのが原因。
なので、ボディを被せた時のフェンダー前側基部の位置に合わせるのがベストです。

そしてついでに今後邪魔となるサイドシル部の立ち上がりや、ロールケージ取り付けダボ穴基部、リアシート取り付け位置の突起を除去しておきます。


フジミ板シャーシ徹底改修4


今度はセンタコンソールとダッシュボードを仮組みして、フロントガラス前端とサイドガラス下端の高さがダッシュボードと合うことを確認してから、これに合わせて先程のサイドシル部においてシャーシ側の幅とドア内張り側の高さにそれぞれプラ板を接着します。

センターコンソール・ダッシュボードの位置合わせは、ガラスを入れた状態とそうでない状態でも微妙に変化したりするので、出来ればボディ側にガラスクリアパーツを嵌めた状態で確認を行ってください。

またBピラー以降の内張りは、ドンガラ制作の場合は切り取ってのちに新たに作成。
残す場合や4ドアの場合は先程入れたインナーフェンダーのプラ板のアールに沿うように削ったりプラ板を追加したりの加工が必要ですね。


フジミ板シャーシ徹底改修5


ここからは具体的に箱組み。

調整したドア内張りはこの時点で接着してしまい、これを内張り高さの基準としてこれより後方をプラ板で切り出したら、アールを鉛筆等でなぞってプラ板に写し取ります。


フジミ板シャーシ徹底改修6


そして写し取った線より若干内側から切り取り、それぞれを画像のように接着。

ドア内張りに続く方が切り取りの際に調整が付き辛いので、そちらの方にマージンを残す意識の方が上手くいきやすいです。
アールの蓋となる半円側の方が自由度が利きますので( ・ω・)


フジミ板シャーシ徹底改修7


ちなみにこの状態で前から見ると、元シャーシの形状から一見すると左右非対称のように錯覚しますが、ご安心をば。
モーターのギアが入るスペースがあるので切り欠きが左右で異なってるんですよね。


フジミ板シャーシ徹底改修8


画像が前後しちゃって申し訳ないですけど、内蓋のシャーシ下面との兼ね合いとしてはとりあえずツラっぽく切り取っておけば大丈夫。

仮に切りすぎても、こんな↑感じでシャーシ下面を弄る時にプラシート等で辻褄を合わせることが出来ますので…ww


フジミ板シャーシ徹底改修9


これで基本寸法は出せましたので、あとは各種プラ材を使いながら集めた資料と照らし合わせてディテールをガンガン追加していきます。

フロント側もファイアーウォールやスカットルを箱組み、細かいところだとマフラー触媒裏の抜け(運転席底面の白い箇所)も塞いでおきましょう。


フジミ板シャーシ徹底改修10


ダッシュボードも横幅が合わないのでプラ材で拡幅。
センターコンソール基部もシャーシ側に隙間があるのでプラシート等で隠しておきます。

センターコンソールに関しては今回はパーツ側に加工を施しましたけど、後方をディテールアップしたフレームに挿入するちょっと難しい形になるので、塗装・接着した後にシャーシ側で加工する方が楽かもですね( ・ω・)


フジミ板シャーシ徹底改修11


お次はフロント足回りの改修。

キットそのままで仮組みすると、キャンバーやトレッド幅の好みもありますが、かなりの間が空いてしまっています。
このまま間をプラ板積層等で辻褄を合わせても構わないんですが、そうするとステア時にタイヤが前後に振られるスクラブ半径の増大によって完成時の見栄えは良くないですし、そもそもホイールのセンターも合ってないので、今回は既存パーツを極力使いつつジオメトリーの見直しを行っていきましょう。

まずは↑の状態でストラットパーツとタイヤまでの距離、つまりこのストラットパーツをどれだけ外側にオフセットしたいかを測りましょう。
ホイールとストラットパーツが近ければ近いほどスクラブ半径を最小限に抑えることが出来ますが、やりすぎるとリア同様タイヤがフェンダーに収まらないとかいう事態になりかねないので、計測より1㎜程度はマージンを取っておいた方が良いかと思います。

またホイールのセンターとのズレが生じている場合、ストラットパーツのネジ穴中心部からどれくらい差があるかも大体測っておきます。

一応方法としてはこのストラットパーツを上下短く切ってホイール内部に収めてしまう事で更にスクラブ半径を小さくするってのもあるんですが、これだとホイール裏に入れるブレーキパーツの出幅と車高の微調整幅まで考えねばならないシビアなものとなるので、とりあえずストラットの外側への移動というだけで十分かつベストかと( ´・ω・)


フジミ板シャーシ徹底改修12


そしてストラット上部の既存ダボ穴から先程の外に出したい数値を用いて、更に既存ダボ穴から既存壁までの距離を足した数値にプラ板に2㎜の穴をピンバイスで開口して、適宜切り出して左右に接着。

ストラット上部には補強の為にプラ棒をタワーバーのように繋げて接着しておきました。

ロアアーム側はこの新造した位置の2点間に+1㎜して軽くキャンパーを付けるようにして作成。
キャンバーとホイールとのセンター一致はホイールを取り付ける際に調整するので、そんなにこの段階でシビアにならなくても大丈夫。
トレッド幅の方に集中して精度を出すよう心掛けてます。





ロアアームとタイロッドはキットにあるパーツを使うよりも出幅に合わせて新造した方が寧ろ手間は楽かと思います。
あとは中途半端に途切れているフレームを挟み込む形でプラ棒で補っておきましょう。

タイロッドは一発で決めるよりも、ある程度の形に切り出してから一旦真ん中で切り離し、トーをみながらプラ端材を使って2つを繋げて微調整していく感じですね。
私はちょいトーアウト気味が好み。

あとはタイロッドが抜けないようにキットにある車高調整用スペーサーをキャップにしておきましょう。
タイロッドまで接着剤が流れ込まないよう注意です。


フジミ板シャーシ徹底改修14


キャンバーを多めに付ける時はキャスターも付けておくとタイヤがほんの少し逃げてくれるっぽいので、僅かながら切れ角アップに貢献している…ような気がします。

舵を取った時の見栄えも良いですからね( ・ω・)


フジミ板シャーシ徹底改修15


その後こちらもインナーフェンダーを構築。

リアのようにアール形状でも構いませんが、切れ角を増やした時には確実に当たるうえに作るのが面倒臭いですから、ここは壁に沿って直線的に構築。
インナーを作るというよりも、中身や向こう側が見えないように目隠ししていくっていう感じです。


フジミ板シャーシ徹底改修16


リア側も元のシャーシと新たに構築した箇所との間に出来た隙間を塞ぎ、モーター用スイッチのあった場所も欠けているフレームをプラ棒で再生していきます。

ドライブシャフトは半円状のプラ棒を接着してそれっぽく。
意外とランナーとかでも代用は可能っすよ(;^ω^)


フジミ板シャーシ徹底改修17

フジミ板シャーシ徹底改修18


塗装までキッチリやって内装まで完成させると、こんな感じになります。

エンジンルームやドア裏側の側面なんかはつや消しブラックで塗装しておくと目立たなくなりますのでお勧めです。
作り上げたタイヤハウス内はシャーシと同色かブラック系が良いと思いますよ。


フジミ板シャーシ徹底改修19


シャーシ底面も塗装してホイールも付けるとこういう感じ。

今回はシルバーとメタルブラックの2色でぶわーっと塗ってますけど、要点としてはミッションケースとマフラーをシルバー、プロペラシャフトやデフ等の駆動系をブラック系で塗る事。
元々のモールドも限られてますんで、このくらいでも十分だと思います。

ちなみにマフラーは触媒以降のモールドを削り、リアのメンバースペースへとせり上がるところまでをランナーを半円状にしたもの、それ以降は3㎜プラ棒で制作。
触媒モールドを削ってストレート形状っぽくすることも、ジャンクパーツを使ってデフ前に移動することも可能です。


フジミ板シャーシ徹底改修20


ちょっと見えにくいですけども、ホイールの取り付けは他キットでよくジャンクパーツとなる円筒状のスペーサーやプラ板の積層でトレッドやキャンバーを調整しながら直付け接着。
タイヤハウス作成時に左右対称にしてるので調整が楽になってます。

まぁドライブシャフトとのモールドのズレは致し方ないっすわ( ´・ω・)
特に車高をガッツリ下げると差は大きくなりますし…。


フジミ板シャーシ徹底改修21


フロントも同様にプラ板積層でトレッド・キャンバー・ホイールセンターを微調整。
本当はこの積層した厚みは出来るだけ少ない方が良いんですが、2㎜ぐらいだったら意外と許容範疇です。

あ、ブレーキパーツが一切無いんでジャンクパーツから前後とも適宜流用してホイール裏に仕込んでおきましょうね。


フジミ板シャーシ徹底改修22

フジミ板シャーシ徹底改修23


ちなみに舵を全切りすると、こんな感じ。
見た目は本当に地味…www

まぁやっぱり多少前後に振られるわけで、正直ここまでやって効果の程はあるのかっていう根本的な疑問は拭えないっすけど、キットそのままの状態からは確実に改善しておることは事実です。
車高を下げる・トレッド幅を広げる・切れ角を増やす、この3つは今回行ったジオメトリーの見直しにおいてクリアランスの関係からよりシビアな調整が必要になるんですよね( ´・ω・)

フロントのストラットパーツはあの細さでモーターライズだとバキバキ折れるので有名ですけど、こと観賞用としてたまにステアさせるくらいだったら問題ないので、今回はそのまま使っています。
一応気は使って動かす時はそーっと優しく動かしましょうね。


……と、非常に長くなってしまいましたが、以上が板シャーシ改修の全容です。
不満点を述べるならば、リアのタイヤハウスにおいて室内側が滑らかな曲線を描いていない事と、全体的に作業が面倒臭い事ですかね。

リアタイヤハウスはどちらかというと形状的にも作業的にもサイクルフェンダー化に近いと思います。
一応実車でもリアをサイクルフェンダー化する事例もありますから、そう解釈すればそんなに違和感もないのかな…。

身も蓋もない話をすると、大体似たようなホイールベースのよりリアルな他車のシャーシを丸ごと流用移植した方が多分絶対楽ですよwww
それでもここまで手を入れれば全体の強度もかなり上がりますし、見栄えも完成すればほぼ問題ないレベルまで引き上げることが出来ます。
切った貼ったしてモーターライズの古いジャンクキットなんかにも流用して再生させるのにも価値は十分にあると思いますよ。

結局何が言いたいかってーと、一見するとダメそうなパーツでも発想の機転と根気があれば化けるって事。
分かりにくい箇所も多々あるでしょうが、部分的にでも何か制作のヒントになれば有り難いです。
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テーマ : 模型・プラモデル    ジャンル : 趣味・実用

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変態ドリ車好きのへなちょこアマチュアカーモデラー。
インスピレーションのままに、好き勝手に作っております。


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